水濡れ厳禁?
FROM:山本洋
会社事務所にて・・・
乾燥材は絶対濡れたらダメ?
ところで、乾燥材が濡れたら使い物にならない……と思っていませんか?
実際の所、濡れてもいいものもあるし、濡れてはいけないものもあります。
内装・造作に使うものは濡れてはいけませんし、そうじゃないものは少々濡れたって、乾けば問題なく使えますよね。
じゃあ、施工後濡らしたらどうなるのか……
これは濡れる程度によります。ぶっちゃけた話、無垢の杉フローリングの上に、バケツで水をバシャーッ!とこぼしても、大して影響はありません。乾けば問題なく使えます。
ただ、さすがにずっと濡れっぱなしの場所はまずいですね。
1.ずっと濡れているので、木が膨らんでしまう=「ムクリ」が起きてしまう
2.カビが発生する
3.表面が毛羽立つ
という理由です。
なぜ少々なら濡れてもいいかというと、これは木材のヒステリシス現象に由来します。
「ヒステリシス現象」とは、一度過乾燥になった木材は、その過乾燥状態を覚えていて、
含水率・寸法が変化しにくくなる現象、のことを言います。
フローリングが少々濡れるくらいでは、まず木材の中心部まで水分が染みこむことはありません。表面の1ミリくらいが濡れるだけですぐ乾きます。
そしてヒステリシス現象です。一時的に濡れたくらいでは、大きく膨らむことはありません。
いやいやそんなことは無いだろ、と思いますか? 実は、たくさん染みこんでくれた方がありがたいくらいです。
例えば、「不燃処理木材」ってありますよね。あれは木材の中に燃えなくする薬品を注入するのですが、これがなかなか入っていかない。
だから加圧注入といって、木材に圧力を加えて無理矢理突っ込むのです。
無理矢理突っ込むから、当然後で少しずつ薬品が出てきます。
「白化現象」と呼びますが、薬品の結晶が白い粉になって浮き出てきます。
薬品は水に溶かしてあるので、水に濡れたり湿気の多いときに、この「白化現象」が多いと言われています。
そんなことで、状態の安定した乾燥材は、水もそんな簡単には染みこんだりしないのです。
但し!乾燥が甘いものは別ですよ。そういうのはほっといても狂ってきますけどね。
ではまた。