株式会社マルナカ

これでいいんだろうか・・・?

自宅にて・・・
FROM:山本洋

IMG_3352今日は原木の市がありました。美杉木材市場。
旧・美杉村、現・津市美杉町は、あの映画「Wood Job!」の舞台になった場所です。
今日の美杉の市場は、年に一度の特別市ですが、近年まれに見る原木の量でした!驚きです。

さて、原木市に来るといつも思うことがあります。
それは、原木の売り方です。
冒頭の写真のように、原木がたくさん並んでいると一本一本競り(セリ)に掛けていると時間がかかってしまうので、
数本〜十数本(時には数十本)をひとまとめにして競りに掛けます。
それはいいのですが、問題は、どういう木をまとめて一山にするか。
通常の考え方では、同じような木柄のものをセットにすると思います。
が、時としてそうではない場合があります。
それがこの写真です。

 

IMG_3353

 

この2本はセットで売られていたのですが(そして自分が買いました)、
よく見ると、右の木は比較的真っ直ぐで、左の木は曲がっています。
一般的には、曲がった木は真っ直ぐな木に比べて1ランク下がり、安く取引されます。
曲がっていたら真っ直ぐなものを製材できないからです。当然といえば当然。
なので、普通の考えで行くと、この2本はセットにはならないはずです。
ですが、今回この市では、この2本がセットになっていました。
原木市場側は、なんとなくこの2本をセットにしたわけではありません。
売る方も買う方もプロですから、これだけ曲がっていたら一瞬で分かります。
ですので、「意図的に」この2本…曲がっている木と真っ直ぐな木をセットにしているのです。

なぜでしょう?

 

ちょっと考えてみて下さい・・・

 

曲がっている木と真っ直ぐな木・・・

 

ランクの落ちる木と、そうでない木・・・

 

極端に言えば、できの悪い木といい木・・・

 

では答え。

「曲がっている木を高く売りたいから」。
当たり前?
そうですね。当たり前です。曲がっていても、高く売りたいと思いますよね。
でもこれは、私たち買う側からすると、真っ直ぐないい木を買おうとすると、
曲がっている使いにくい木がセットで付いてくるから、「高い値段では買えない」
と思ってしまいます。
売る側は、「曲がりを高く売りたい」
買う側は、「曲がりがあるから高く買えない」
どっちが正解なんでしょう???

僕は、こんなセット販売は止めてほしいと思います。
曲がった木は曲がった木なりの値段の付け方がありますし、
僕だったら、真っ直ぐな木は真っ直ぐな木なりの値段…少々高めに値段を付けます。

そんなことより、「いらない木を買わされる」ことの方が困ります。
なぜなら、本当にいらない木は、僕らの工場では使い物にならないから。
今回の2本は、曲がっていても半分に切ったら使えるかも知れない、
と思ったから買いました。
ですが本来曲がった木は製材して乾燥させると、木の性質通りに曲がっていきます。
どれだけ真っ直ぐに製材しても、元の性質は変わりません。
ですので基本的には曲がりはNGなのです。

逆に、曲がった木がほしい時もあります。
例えば「破風板」という屋根の材料は、曲がった木である必要があります。
また、梁に使う時は、反っている木の方が好まれることがあります。
曲がりがいい悪い、真っ直ぐがいい悪い、ではなく適材適所なのです。
曲がった木がほしい人に、曲がった木を買ってもらえばいいと思うのです。

これは、僕ら買う側の論理かもしれません。
ですが、大抵の原木市場では、このような販売方法が横行しています。
「高く売らないと出荷者に怒られる」というプレッシャーからなのでしょうが、
結局それをやられると、僕らは高い値段を出せないわけで、
逆に今回のように僕が「それでも」買うと、「ほら見ろ売れたじゃねぇか」となるのでしょう。

あなたはどう思われますか?

コメント

  1. 通りすがり氏says:

    2018年9月25日 1:00 PM

    売りて利益の抱合せは止めて欲しいですね
    必要とする人に必要な木材が届く
    これが人にとっても木にとってもハッピーだと私は考えます
    植物も命なんですけどね
    (有識者の中では植物も感情を持つという仮説もあり、科学的にも物質や成長具合の変化として定量的なデータが存在する)
    金目(かねもく)で木を扱う人にとっては
    金稼ぎの道具でしかないんだろうなぁ
    売り手の真意はわからんですが残念でなりません

    返信

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。* が付いている欄は必須項目です!

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

PAGE TOP