株式会社マルナカ

木の「カッコ良さ」とは?

From:山本洋
自宅にて・・・

先週、三重県の木材関係6業者合同で、大阪のLiving & Designに出展してきました。
いろんな会社が出ていて、特に家具やインテリア関係中心の展示会だったので、
そのセンスの良さにはため息すら出るところも多数・・・
レベルの違いに圧倒されつつも、いい勉強になりました。

今回目立ったのは、木材の展示。いろんなところが木を使ったプロダクトを出したり
木をあしらったブースを展示していたり。
あるデザイナーさんが、「もはや木を使えばいいという時代は終わり、
木をどうデザインするかが求められるようになった」と言っていました。
「カッコイイ」木でないと、もはや認められません。

「カッコイイ」とは?

では「カッコイイ」とは何か?
もちろん、意匠的にカッコイイというのは言うまでもありません。
(これすら満たさないものの方が、世の中には溢れているのですが・・・)
ですが、それだけではいけないと思います。
僕は、特に木材という自然のもの、「生き物」を素材として扱うのであれば、
「持続可能性」とか「モッタイナイ」とかが重要だと考えています。

これは一つの例えですが、何でもかんでもバイオマスとして燃やして発電に使うのは、カッコ良くないと思います。
山からはいろんな木が出てきます。
確かに、中には燃やすしかない木もありますし、そういう木が大半を占める山、というのも
少なからず存在します。

ですが、その山の中には、きちんと製材すれば木材としてモノになる木もあったりします。
そういう木を選別して製材所がきちんと買い取り、使い分ければ、木の価値は上がります。
大事なのは、使えるモノをちゃんと使うということ。
ちゃんと使うということは、もっと泥臭い言い方をすれば「高く売れる」ということです。

高く売るということは、それだけ手間を掛けられるということで、
手間を掛けると言うことは、技術レベルが低下しないとか、向上するということです。

「値段の高い木」が生み出す技術

山から、生えている木を切り倒して里まで下ろしてくることを「素材生産」と言いますが、
日本の素材生産の技術は非常に高いです。
ヨーロッパのレベルも相当高いですが、僕は日本のレベル、特に個人単位での技術は
相当高いと思っています。
なぜ高いレベルになれたかと言えば、それだけ「値段の高い木」を伐採していたからで、
だからこそ手間を掛けられたし、頭も使えたのだと思います。

ところが今は、値段の高い木が二つの理由で減っています。
一つは、そもそも高品質の木が減っている、間伐ばかりで植林もされないので少なくなっていること。
もう一つは、昔と同じ木が切られても、今は高い値段で売れなくなっていること。
前者は数十年掛けたストックの問題ですが、後者は実は僕たち製材業者の問題です。
簡単に言うと、価値の高い木材製品を作れていないので、原木に高い値段を付けられなくなっている、
ということです。
そして、後者の問題が解決されない限り、前者の問題も解決できません。
つまり、「丸太が安いから植える気になれない」。

黒毛和牛を焼ける料理人の「カッコ良さ」

話がそれましたが、要するに、価値の高い木をモノにすることこそが「カッコイイ」の
一部だと考えています。
アメリカ産の安い牛肉で牛丼を提供する店長も悪くはないのですが、
黒毛和牛でステーキを焼ける料理人の方に、僕は憧れとカッコ良さを感じるわけです。
しかも、その小間切れでうまいビーフカレーを作り、ホルモンで焼肉を提供して
牛一頭を全部丸ごと料理できれば、もっとカッコイイ。
僕の考えるカッコ良さの一つは、ここにあります。

あなたはどう考えますか?

そんなわけで、今日実家の両親と食べに行ったステーキハウスのカレーは
すごくうまかった、きっといい牛肉を使っているのだろう、というオチでございました。

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