株式会社マルナカ

天然乾燥だって乾燥だ!

実は月刊でニュースレターなんてのを書いてまして。

1年くらいになります。始めて1年くらいになります。おかげさまで内容はわりと好評でございます。感謝感激雨あられ。

で、読んで頂いているお客さんから「ブログにも載せなよ」と言われ、はっ、そうだ、ブログを読んでもらっている方も大勢いるじゃないか!と気付きました。

本当は6月中に始めるぜ!と言っていたのですが、2日ほど遅れてしまいました。無念。

そんなわけで本日のお題は天然乾燥について。

天然乾燥だって乾燥だ!

そう。まさにその通り。下手な人工乾燥より、上手な天然乾燥の方が遥かに上質な乾燥材になります。

そもそも、なぜ人工乾燥させるのかと言えば、天然の状態だと温度と湿度の管理が難しいからです。逆に言えば、人工的に熱を加えたりしなくても、風の通り方や日の当たり方が考慮されていれば、天然乾燥であっても含水率は下がっていきます。

但し、風の通り方や日の当たり方を調整するのは非常に難しいです。風向きはしょっちゅう変わりますし、日当たりは一日で東から西へと変化します。

  • 桟積み

風の通り方を調整するのは、木材から蒸発した水分を持った空気が入れ替わるため。と言うとややこしいですが、風があると洗濯物が乾くのと同じです。風がなかったり、洗濯物をぎゅうぎゅうにして干しても乾かないのと同じように、風向きが悪かったり無風状態だったり、木材を積んでおく桟木が細かったりすると、うまく風が抜けずに乾きません。

木工で使う広葉樹などは、年単位で桟積みして乾燥させるのが当たり前です。だから桟積みの上手下手が材の出来不出来を大きく左右します。

  • 日当たりと熱

日当たりは、極力ない方が望ましいです。日が当たった部分だけが局所的に熱せられ、乾燥速度が速まり、割れるからです。ですが、ある程度の熱は乾燥を早めますので、冬場は乾きが悪くなります。

天然乾燥のいい所は、熱を加えないところです。人工乾燥がなぜやり玉に挙がられるかというと、スカスカになって色がくすみ、粘りがなくなって内部割れするから、だと思いますが、これは熱の影響です。60℃あたりから木材は徐々に炭化し始め、焦げ臭くなります。もちろん天然乾燥ならばその心配はありません。

天然乾燥のいい所をいろいろ上げてきましたが、逆の所を指摘します。

  • 時間がかかる

そりゃそうですよ。おてんと様まかせですからね。風が吹く日もあれば、雨の日もある。雪の日もあれば無風の日もある。暑い日もあれば寒い日も。

どう乾くかは、基本的には天気次第、季節次第ですので、どれだけ経てばどれだけ乾くかは神のみぞ知る。

  • 制御不能

「ある程度は」コントロールできますが、ある程度しかできません。その「ある程度」を何とかする努力をすれば良いのですが、実際の天然乾燥の現場を見ると・・・

  • 季節変動が激しい

春夏秋冬、日本ほどめまぐるしく気候が変わる国も珍しいでしょう。

乾燥初期は梅雨時くらいの天気が一番いいですが、乾燥中期〜後期は春・秋くらいの天気が適しています。夏は暑くて直射日光も強いので表面が乾きすぎる傾向があります。冬は寒すぎて水分移動が鈍くなり、乾きが遅くなります。

  • 昼と夜の寒暖差

天然乾燥であまり意識されることはありませんが、一日の寒暖差は木材乾燥をさらに遅くします。昼間温かくて湿度が低くても、夜になれば温度は下がり、湿度は上がります。せっかく乾き始めた木材が再び湿ってしまうため、行きつ戻りつしか乾きません。

 

 

そんじゃ理想的にはどうすりゃ乾くのよ

という話。

乾燥理論を徹底しないと、天然乾燥では乾かないというのが正解になります。なので、

  • より短期間で(神のみぞ知る期間→数週間)
  • より安全に(割れが少なく)
  • より確実に(目標含水率まで落とす)

乾かすには、その環境を人工的に作る必要があるのです。簡単で奥が深いってやつですね。

追記:現代の住環境に対応するためには、天然乾燥だけでは限界があります。これはまた別の記事で触れようと思います。

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