株式会社マルナカ

「二代木(にだいぎ)」

FROM:山本洋
自宅にて・・・

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この写真は、先日投稿したテントの出ていた原木市場「マルタピア」でのものです。
写真に写っているのは、奈良県で林業を営む奥田さんと、彼が出品していた杉の丸太です。

たくさん出ていた丸太の中で、この丸太は輝いて見えました。
年輪が均一、曲がりが少なく真っ直ぐ、リフトやグラップルでの傷の少なさ。
そして一番は、赤身の美しさです。
薄いピンク色で、濁りがなく、まさに輝いて見えます。

輝く木の秘密

この木は美しいなぁ・・・たぶんいい値段が付くんだろうな・・・
などと見ていると、奥田さんが「この木はな」とお話ししてくれました。
「二代木(にだいぎ)」だと。
はて?ニダイギ??
初めて聞く言葉だったので、ニダイギって何ですか、と尋ねると、教えてくれました。

雑木林を開墾したり、畑を潰したりして、植林しますよね。
手入れをして木が生長して、何十年かして一旦皆伐、つまり全部伐ります。
そこに、次の苗を植えます。
これが「二代木」だと。二代目の木、ということですね。
二代木は、素直でキレイな木に、特に赤身が美しい木になるそうです。

最初の木は、土に含まれるミネラル分を吸って、赤身の色が濃くなったり、黒っぽくなったりするものも出てきます。
ですが二代木だと、土に余計なミネラル分が無いので、赤身の色が美しくなるのだそうです。

なぜ赤身が黒くなる?

赤身の色が黒くなる原因は、あまりよく分かっていません。
ただおそらくは、土に含まれる鉄分を吸収しているのだろうと考えられています。
その証拠に、根元ほど黒くなりやすく、上に行くに従って赤身の黒色は薄くなる傾向があります。
また、たまに山の境界区分のためにハリガネ(鉄線)を木に付けるがあります。
区分の用途が終わればハリガネは撤去するのですが、たまに外すのを忘れたり、ハリガネの一部が木にくっついたままになることがあります。
そうすると、木はハリガネを巻き込んだまま太くなります。その木の断面を見ると、ハリガネの部分を中心に、黒紫色に変色しています。
ですので、恐らく黒色の正体は鉄分だろうと想像するわけです。

明治時代から!

そしてミネラル分の少ない土で育った「二代木」は、初代に比べると色が良くなる、というのも納得がいきます。
今回の丸太は、大体60年生くらいだそうです。ということは、ざっとその倍、120年以上前…明治時代から手入れされ続けてきた山、ということ!
山のスケールのでかさには圧倒されます。そして、そんな山の木を使わせて頂くことに、改めて感謝しております。
値段の競り合いもありながら、今回は3本ほどこの木を買うことができました。
いいものはいい素材から、です。

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