≪埼玉県→松阪≫西川材!
先日のウッドピア記念市で、いい原木に出会いました。
写真のこの木は、埼玉からはるばる松阪までやってきました。
え??どゆこと??と某バラエティ番組張りに思うかもしれませんが、実は松阪という場所は「木材の集散地」として知られています。
木材需要が非常に高かった江戸時代、松阪は交通の要所でした。
「おかげ参り」で知られるように、伊勢にはたくさんの人が来ていました。松阪は最後の大きな宿場町でした(遊郭でも知られていました)。
それだけではありません。国道42号線は「熊野街道」と呼ばれ、松阪から始まり、紀伊半島を南にぐるっと回って和歌山に行き着きます。
また国道166号線は「和歌山街道」と呼ばれ、松阪から始まり、飯高を抜け吉野へ、桜井や橿原といった奈良の街に行き着きます。
人が集まり、物が集まる。松阪の木材産業は非常に栄えていたのです。
その名残もあって、松阪には今も全国各地から優良原木が集まってきます。
市場とはおもしろい物で、物がたくさん集まると人も集まってくる。人が集まると(競りなので)値段が上がる。値段が上がると、噂が噂を呼び、さらに物が集まってくる。という法則があります。
で、写真の材は埼玉は飯能市(はんのうし)からやってきたというわけです。
飯能は江戸時代から林業が盛んで、「西川材」という優良材があります(江戸の西の方の川から来る材、で西川材と呼ばれていたという説)。
こうして写真で見ても、年輪がまんまる(同心円状)でムラも少なく、よく手入れされた材だということが分かりますね。
ふと「わざわざ埼玉から松阪まで持ってきて、運賃出るんだろうか?」と思ってちょっと計算してみると、意外と合うんですね。
大型トラック1台で約10万円として、大型トラックだと20M3くらい積めます。すると1M3あたり5000円。
写真にあるように、そんなに安い値段にはなりません。2番玉と元玉と、全部平均すると30,000円/M3くらいと仮定すると、
仮に埼玉で20,000円/M3でしか売れなかった時よりは儲けは多くなりますね。
原木は製材所が買います。逆に言うと、製材所がない地域でいい原木が出ても、値段が付かないのです。
埼玉にある製材所で、このくらい優良原木を挽いているところを僕はあまり聞いたことがありません。埼玉に限らず、関東一円で、優良原木を挽いているところはごくわずかしかないでしょう。
ですが松阪は、優良原木ばかり挽いているところが全国各地から買い付けに来ます。だからチャンスが広がるのです。
説明が長くなりましたが、この西川材を少し買うことができました。どんなものが挽けるのか、今から楽しみです〜!