木にも人間にもいい季節
会社事務所にて・・・
山本です。いよいよ夏も終わって涼しい時期になってきましたね。
気がついたらもう、夕方6時には真っ暗です。
これくらいの時期になってくると、状態のいい丸太がやっと原木市場に並ぶようになります。
夏場の暑い時期、杉は1年の中で最後の生長時期です。
それが終わって秋になると、花粉を飛ばせる春まで杉は生長を止めて、休眠状態に入ります。
これは杉でも桧でも同じです。
この時期になると、木から余計な水分が少なくなり、切り倒してもすぐには腐ったりしにくくなります。
だからといって「腐らない木」になる訳ではありません。春や夏の原木に比べて、という意味です。
たまに誤解されることがあるのですが、例えば「新月伐採」というのがありますね。
あれで「腐らない木」になるのではありません。木材が腐る・腐らないというのは、物語や人情の話ではなく、純粋に科学の話です。
科学的には、他の時期に比べて腐りにくい=木材中の栄養分や水分が少ないこと、あるいは寒かったり湿度が低かったりすることから、菌や微生物が繁殖しにくいのだと推測されます。
つまり、新月伐採をするということは、イコール菌が繁殖しにくい環境が整えられているということになり、それだけ昔の人は、よく自然のことを理解していたということに他なりません。先人の知恵とは素晴らしいものです。
僕たち人間も自然の一部。自然をうまく使った生活を取り入れたいものです。
そのためには、先人達がいにしえの時代から使っていた木材、日本人の、特に庶民にとってはなじみの深い「杉」という木をもっとたくさん生活の中で使いたいものですね。