
日本で昔から愛されている建築素材である「杉」。この杉には、たくさんの魅力が詰まっています。
杉は、使い込むことで徐々に色が変わってきます。年月とともに変化していくため、杉自体が深い味わいを持つのです。人間と同じように、年を重ねるごとに深みを持っていく杉は、久方ぶりの来客をきっと驚かせることでしょう。
杉の香りには、「セドロール」という芳香成分があり、近年の研究によってリラックス効果があることが分かってきました。帰ってきたときにふわりと漂う木の香りは、「家に帰ってきた」という安心感と相まって、緊張感を解きほぐしてくれることでしょう。
また、低温乾燥の杉には、優しい甘い香りがあります。穏やかな香りをぜひ楽しんでください。
木材の持つ魅力の一つに、「温かさ」があります。
杉には断熱効果があるため、足先からのぼってくる冷えを防いでくれます。杉の持つ、「洗いざらし感」「自然のままの踏み心地の良さ」を、冬でも直に味わうことができるのは大きなメリットだと言えます。杉には、調湿効果(湿度をコントロールする力)があります。杉の内部構造は、実は半分以上が空洞。この空洞が、空気中の余分な水分を吸収したり、放出したりしてくれます。夏場や梅雨の時期の嫌な湿気を吸い取ってくれるため、カビの発生を抑えることができるのです。ブーツや本といった、カビを嫌うものを置いておくための棚の素材として、杉はとてもおすすめです。
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意外に思われるかもしれませんが、杉のメンテナンスは非常に簡単です。確かに傷や汚れはつきやすいのですが、サンドペーパーで磨くことで簡単にきれいにすることができます。お子さんが落書きしてしまった場合でも平気です。もしお子様が小学生くらいなら、年末の大掃除の時に一緒にサンダー掛けをしてみて下さい。「家を大事にするってこういうことだよ」と教えてあげられます。こんなこと、普通のフロアではできませんよね。
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杉の木は、意外なほどに柔らかいものです。
そのため、陶器の器を落としても割れにくく、衝撃を吸収してくれるという特徴があります。お子さんが転んだ時に、痛みを軽減してくれる床。年をとって膝を悪くしたときにでも、しっとりと優しく受け止めてくれる床。世代を問わず包み込むように人を守ってくれる柔らかい床は、長く暮らしていくための条件の一つなのです。